湿気の無い晴天が好き

日々のつぶやきを、のんびり、まったりと書きます。

映画: 阪急電車 片道15分の奇跡

テレビで放映されていたのを見ました。
以下、ネタバレです。

宮本さん演じる女性が、電車の中でウエディングドレス姿の女性(中谷さん)に声をかけます。
事情ありと察して、見ず知らずだから話せることもあるから、良かったら話をきくよ、と。確かに、たまたま電車で乗り合わせた相手だからこそ、日常生活での深刻な悩みを話しやすいのかもしれません。
宮本さんに話を聞いてもらい、中谷さんは、ある駅でおります。
「良い駅だから、休憩していきなさい」宮本さんの助言により降りた駅は、駅員さんがホームのお花に如雨露でお水をあげ、墨汁の文字で手書きのメッセージが掲げられ、掲示板に子どもたちの絵が丁寧に貼ってある、温かい雰囲気を持つ駅でした。中谷さんは、ただ駅を歩き、癒されます。人の行き交う駅は、それだけで温度を持つのでしょう。きっと宮本さんも、どこかで、何かつらいことがあったときに、この駅に癒された経験があったのだと思います。

宮本さんが優しく話を聞いて、気持ちの切り替えのきっかけをもてた中谷さん。
中谷さんが、今度はいじめに心を痛める少女に声をかけます。

人から人へ、やさしさや思いやりが連鎖していく映画でした。
誰かに優しくされて嬉しかったら、ほかの誰かをやさしくしたい。
この映画には、とてもシンプルなメッセージがこめられていたように思います。

その中に、電車内で携帯ばかりさわる人たち、集団で騒ぐ女性の集団、人から仲間はずれにされたくない心理など、「これでよいのですか」といったメッセージも発信していたように思います。

最も印象的だったのは、「自分の意思で涙を止められる女性になりなさい」
宮本さんの孫への言葉でした。

人生の先輩から教わることはたくさんある。経験値が違うのだから。
世代を超えたつながりが希薄になったと言われる今、例えば、電車の中でも
「やさしさ」や、「ひとときのつながり」を経験できる。

たくさんのメッセージが込められた、とても良い映画でした。

阪急電車は、祖父母が生きていたころに、よく眺めていました。
幼いころに祖父母に教わったことは、大人になった今でも自分の中に
しっかりと足跡を残しています。
この映画のように、たまたま居合わせた人から受けた優しさも
心にしっかり残っていくのではないでしょうか。