見てるんだ
10年くらい前から、「損な役回り」
をしていた仲間(以下、彼)がいた。
口が上手い人に美味しいところを持っていかれ、
誤解されたり、憎まれ役にされたりしていた。
恐らく、妬みもあってのことだと想像する。
「損な役回り」の彼は、正直で誠実。でも口下手。
誤解されても一切言い訳せず、やり過ごしていた。
しばらく彼の周りから人が引いた時期もあったけど、
私は彼を信じていた。勘というか、私は口の上手い人が
どれだけ人気者になっても、どこかで苦手だった。
5年くらい経って、彼の人柄を見直す人が増えてきた。
10年経った今、彼の人柄は、揺るがない信頼を得ている。
結局、人の根っこというか、人柄というか、そういうもの
見ている人は見ているんだ。
本当は、彼の周りから人がいなくなる時期が無ければ、
誤解を受けることも無ければ、彼はさびしい思いや
悲しい思いをしなくて良かったはずだけど、
それでも、いろいろな感情を一回りして、今、人の輪の中で
笑っている彼を見ると、心底うれしい。
大切なものを見失わない自分でありたい。
見てる人は、見てるもんね。