引きこもってばかりの私を、友人が連れ出してくれた。
体調が珍しく良かった昨日。
場所は、プロレス。
ある団体主催の、カレーを食べながらプロレスを鑑賞するイベント。
試合前にまずはカレーを食べる。
カレーを運ぶスタッフたちが、体格が良い。
腕の筋肉もきれいだな・・・そう思っていたら、
彼らは見習いの練習生だった。
試合開始のゴング。
試合を引き立てる絶妙のMC。必死の形相で立ち向かうレスラーたち。
あかんわー。
この距離で真剣勝負見ると、引きこもりでクサクサしていた気持ちに
響く。
首を骨折して、後遺症に悩む私。
マットに投げ出され、首や背中を打ちつけるレスラーたちを
見るたびに、恐怖が襲う。
でもね、鍛えているんだ、彼らは。
違うんだよ、やっぱり。
痛いだろうに、逃げないの。試合は続く。
熱い気持ち、こみあげてきた。
なんだか、自分がちっぽけに感じた。
単純に何も比べることは出来ないけれど、
彼らの日々の鍛錬を思うと、自分が小さく思えた。
ああ、自分は何もしていない。このままじゃいけない、
何か考えないと。
試合がひといきつくと、カレーを運んでいた見習い練習生の一人が、
今度のデビュー戦について、マイクで語りだした。
「人を感動させるレスラーになりたい」
主催者いわく、この見習いの彼は、若い頃にちょっと道を踏み外した。
プロレスを居場所と感じ、日々練習に励んでいる。
若い人たちの居場所を奪ってはならないと、主催者は息を吐いている。
四角いリングを見ながら、おいしいカレーをほおばりがら、
私は、人の熱い気持ちを確かに感じた。
見習い練習生。
リングに立つ選手。
彼らが続けられるように、場を続ける主催者。
見習い練習生は、客が店から出ると、ひたすらスクワットをしていた。
大変なこともたくさんあると思う。
彼のデビュー戦を見られるように、私も、怠けてばかりはいられない。
ちっぽけな自分だけど、「熱さ」出せるかな。
カレーとプロレス。予想以上に最高でした。