ドラマ「母になる」感想
このドラマのファンの方がいたら、批判的で申し訳ないですが、
正直な感想を書きます。
製作側は、本当にこういう作品を作りたかったのか?
最初、誘拐のくだりから、小池栄子さんの過去を掘り下げるあたりまでは
丁寧な描写が見られる場面もあった。
でも、昨日の最終回を見て、
観ている途中で、残り時間が何度も気になる始末。
「そこじゃないでしょ」、他の家族の描写が長すぎた。
初回からの流れが、途中で迷走して、とっちらかって時間切れ。
そう感じてしまった。
結局、何を伝えたかったの?このドラマの軸はなんだったのか?
いろいろなエピソードが回収されないまま中途半端だったし、
残念な気持ちが残った。
脚本家の先生も好きだし、楽しみにしていた作品だったけど、
こんなに雑に描くなら、この題材を取り上げなくても良かったと思える。
別の家族の話よりも、誘拐された子どもの「気持ち」を知りたかった。
そう。終始、誘拐された子どもがどのような気持ちでいるのか、
観ている側には全く伝わってこなかった。
ただし、役者さんはインパクトがあった。
小池栄子さんの魅力を再確認。目に見えない心情を表現する器の大きさ。
孤独を表現するには最も魅力的な女優さんと感じた。
実の母との関係が、成人してもいつまでも根深く残る心情、
誰しも、どこか心当たりがあるのではないだろうか。小池さん、すごかった。
中島裕翔さん、藤木直人さんは、「巧いな」と思える場面が何度もあった。
特に、藤木さんは、初期のやつれ方が秀逸だった。
振り返ると、演者さんの魅力は表現されていることが、せめてもの救い。
脚本が面白く、時間を忘れる作品に、次は会いたい。